第15回オートモーティブワールド出展レポート
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2023年1月25日(水)〜1月27日(金)に東京ビッグサイトで開催された「第15回オートモーティブワールド」に出展いたしました。
展示会初日は寒波の影響もあり、一部交通状況に乱れも生じておりましたが、結果的に多くの皆さまにご来場いただきましたこと改めて感謝申し上げます。
今回のレポートでは、当日ご来場いただいた方はもちろん、ご都合により来場できなかった方もいらっしゃるかと思いますので、改めて弊社の展示内容についてご案内をさせていただきます。
AI異常検知ソリューション「Impulse」とは
弊社、ブレインズテクノロジー株式会社(東京都港区、証券コード:4075)が提供する、AI異常検知ソリューション「Impulse(インパルス)」は、機械学習技術の実用化を目的に、2014年市場に先駆けてリリースされ、自動車製造をはじめ、数多くの「製造・生産現場で鍛え上げられた」異常検知ソリューションです。
複雑で膨大なセンサーや音声や画像、動画などのデータを収集・可視化する基本機能に加え、従来の閾値ベースの管理では発見できない障害や故障予兆の検知、不良品の検出、作業工程の確認・分析、要因の追究など、これまで対応が困難であった業務課題に対し、機械学習を武器に新たなアプローチで現実解に導きます。
Impulseの適用領域
生産技術(製品品質保証)
- 機能検査(電流、圧力、温度、振動、音など)
- 外観検査
- 組立作業ポカヨケ
製造(品質向上・改善)
- 不良要因分析
- 製造条件最適化
- 組立作業ボトルネック解析
- 組立作業エルゴノミクス
保全(稼働率向上・効率化)
- 設備予知保全(振動、音、におい、温度、圧力など)
- 日常点検自動化(目視点検、水漏れ、ベルトコンベア、搬送異常など)
Impulseの特長
「Impulse」は、高度な分析技術を持ったデータサイエンティストだけでなく、より幅広いユーザーが利用できるプラットフォームを目指し、機械学習技術を容易に導入・運用するためのアーキテクチャや機能が備わっているのが最大の特長です。
これまで手組みで行なっていた個々のAI分析プロセスの自動化が可能となります。
データ分析プロセス
- データ整理
- 方策決定
- 特徴量決定
- チューニング
- モデル運用
対応データ
- 数値データ
- 静止画
- 動画
- 音声
※各種センサー値に対応しています。
今回の展示会テーマでもある「自動車製造」の分野では、デンソー様やアイシン様などの現場でも利用されるなど、現時点においても、21,000もの機械学習モデルが何らかの異常を捉えています。
展示内容
今回の展示内容は、上記6つのセクションにてご紹介させていただきました。
それぞれの展示内容についてご紹介します。(「業務適用領域」については、先述の内容と重複するため割愛いたします)
- 製造品質の監視・不良要因の分析
- AIによる設備保全
- AIによるヒト作業の見える化・見守り
- AIによる外観検査の自動化
- ミニセミナー
製造品質の監視・不良要因の分析
今回初めて、時系列データを用いた製造品質・不良要因の分析についてのデモを展示いたしました。
キーエンス社の高精度インライン測定器を利用し、製造品の形状を2Dまたは3Dで測定。幅や高さ、奥行きなどの形状データを時系列で収集し、「Impulse」によって良品の形状データとの特徴量を分析することで、リアルタイムに良品・不良品判定が行えるという提案です。
※自動車部品の3D検査 – 案内パネル
また活用例として、自動車部品製造で盛んに行われる「シール材塗布」にまつわる課題を、このインライン測定器 × Impulse によって不良検出するという提案をご案内させていただきました。
※自動車部品の塗布検査における形状不良検出 – 案内パネル
もちろんシール材塗布以外にも、プレス加工工程における製造品質の監視や、射出成形不良の要因分析など、様々な機械・設備を用いた製造品の不良判定を機械学習によって行うことが可能です。※一度ご相談ください。
> 【導入事例】東洋製罐株式会社 – 缶製造ラインにおける缶ボディ成形工程での不良品検出
AIによる設備保全
故障予兆検知・状態診断など、機械や設備の保全といったテーマにおいても「Impulse」は貢献いたします。
特にこの分野においては、デロイト トーマツ ミック経済研究所『予兆検知ソリューション市場の実態と将来展望 2019〜2021年度版』「解析サービス市場」においてトップシェアの実績を誇り、従来の閾値監視では発見が遅れる異常・未知の異常を早期に捉えて、チョコ停・ドカ停を未然に防ぐなどの活用が広がっています。
> 「Impulse」時系列異常検知アプリケーション特設サイト
> 【お知らせ】2023年2月22日開催セミナー「時系列異常検知アプリを用いたAI活用事例と手法解説」
> 【導入事例】ナブテスコ株式会社 – 風力発電機におけるヨー旋回部の故障回避・状態監視
> 【導入事例】ヤンマー株式会社 中央研究所 – 内燃機関の予知保全
AIによるヒト作業の見える化・見守り
Impulse作業分析アプリケーションは、人(ヒト)の作業をカメラで撮影し、そこから得られる物体や人間の骨格の動きといった情報をAIに認識させることで、作業の品質・効率・負荷を自動的に分析できるアプリケーションです。
今回のオートモーティブワールドでは、特定の部品箱から継ぎ手(ネジ)を取り出し、特定箇所に取り付ける作業を例にデモンストレーションを行ったほか、作業分析アプリケーションによる作業工程の自動集計画面(ダッシュボード)や、作業手順の抜けや手順違いなどを検知する画面などを展示いたしました。
> 【お知らせ】2023年2月22日開催セミナー「AIによる人の作業分析と導入効果」
AIによる外観検査の自動化
生産工程におけるタクトタイムやサイクルタイムの短縮や検査精度の改善などを目的に、目視検査の自動化(外見検査)に取り組まれる企業も最近は増えてきました。すでに、AIを使わない外観検査装置やシステムをご導入済みという方もいるでしょう。
「Impulse」外観検査アプリケーションは、部品や製品、パッケージなどに付着した、傷・打痕・バリ・欠け・鋳巣・塗装ムラ・湾曲・凹凸・などの様々な異常を検出する最新のアルゴリズムを搭載したAIソリューションです。
今回の展示では、複数の角度・方向からの撮像に対する総合判定によって、傷の深さ・奥行きなど、より正確な良品・不良品判定を行うデモンストレーションをご紹介いたしました。
微細な角度の違いのある二つの部品を、キーエンス社の3Dカメラを使って撮影。
この撮影データを使い「Impulse」によって分析することで、上からの撮影だけでは検出できない角度の違いを検出することが可能となります。
もちろん、デモンストレーションのような3Dデータを使用した不良判定だけでなく、通常の静止画(2D)による外観検査も可能です。
またデモ展示以外にも、静止画または動画データによる、アナログメータの読み取り・点検自動化やクレーンワイヤの乱巻き検知といった、機械や設備の点検・保全といった分野においても、「Impulse」外観検査アプリケーションが有効です。
> 【お知らせ】2023年2月22日開催セミナー「外観検査がうまくいかない理由と解決策」
ミニセミナーの実施
今回の展示会では、弊社における初めての取り組みとして、展示会中のミニセミナーを実施いたしました。
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ミニセミナーの内容例:
- ここまできている!自動車製造業におけるAI活用事例
- 品質監視・不良要因分析を目的としたImpulseの活用事例
- AIで加速する手組み工程改善: 課題と進め方
- AI実稼働を成功させるための基盤システムに必要なもの
今後も展示会では、こうしたミニセミナーやデモンストレーションの展示など、新しい取り組みも取り入れていきたいと思いますので、ぜひ出展の際はご来場いただけますと幸いです。
【お知らせ】2023年2月16日(木)開催 最新AI活用事例セミナー(オンライン)
最後にお知らせとなりますが、2023年2月16日(木)17:00〜17:40の日程にて、【2023年最新版】ものづくり現場におけるAI事例セミナーと題しまして、生産現場における自動化やDX推進にこれから取り組もうとしているご担当者様向けにオンラインセミナーを開催いたします。
本セミナーでは、現場の課題解決のために21,000以上のモデル導入を手掛けてきたブレインズテクノロジーが、その豊富なモデル運用実績から見えてきたよくある分析テーマや技術トレンド、ものづくり現場の最前線で次々と生みだされるAI活用事例をご紹介します。
> 【お知らせ】2023年2月16日開催「2023年最新版!ものづくり現場におけるAI事例セミナー」
ご関心ございましたら、ぜひご参加いただければ幸いです。
もちろん、生産現場の課題解決のために取り組みを開始したいなどのご要望ございましたら、お問い合わせフォームよりご相談も随時承っております。