製造現場におけるAI異常検知の活用事例&ユースケース

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製造現場におけるAI異常検知の活用事例&ユースケース

労働力不足の解消や現場の負担軽減はもちろん、製品の品質向上・改善を目的に、AI(機械学習)を活用するメーカー企業も増えてきました。

機械や設備に取り付けられた様々なセンサデータから得られる時系列データや、静止画・動画・音声データをAIによって多角的に分析することで、現場の「いつもと違う」を検出することを”異常検知”と呼んでいます。

こうした異常検知の分野にAI(機械学習)を活用することで、

  • 機械や設備の故障・停止を未然に防ぐ
  • 各種検査における検出精度を向上させる
  • 現場担当者の負担を軽減する
  • 熟練者の勘やコツを数値化できる

など、様々な恩恵が受けられます。

今回は製造現場の具体的な工程やシーンにおける、AIによる異常検知の活用事例やユースケースをご紹介します。

Impulse
AIを活用した予知保全に最適なソリューション「Impulse」
2014年市場に先駆けてリリースされ、数多くのお客様の現場で鍛え上げられた異常検知ソリューション「Impulse」。

複雑で膨大なセンサーからの時系列データや音声・画像・映像等からデータを収集/分析し、従来の管理では発見できなかった障害や故障予兆の検知、不良品の検出、要因分析などを行います。

Impulse 公式サイトはこちら

イラストで見る、製造現場におけるAI異常検知のユースケース

イラストで見る、製造現場におけるAI異常検知のユースケース

製造品やその規模によっても、工場内のレイアウトや工程は大きく異なりますが、大きくは製品の元となる材料や原料などから、製品を構成するパーツ(サブアセンブリ)を作り、塗装作業や組立作業などを経て、品質に問題ないかの検査を行い、梱包・出荷を行われるケースが多いでしょう。

生産ラインは、例えば材料の加工や、サブアセンブリの工程、組立作業工程など、各工程ごとに構成され、定められた一連の工程を終えると、次の工程へと引き継がれていきます。

こうした製造工程において、AI(機械学習)の技術が発展した今、下記イラストに示すような様々な取り組みが行われています。

製造工程

AI(機械学習)によって製造現場における様々な課題が解決できることで、生産ラインの停止を未然に防いだり、不良品の早期発見に繋げられるほか、作業に従事する人員の省人化や現場の負担軽減、作業ミスの撲滅、トレーサビリティの確保など、多くのメリットが受けられます。

では各イラストの内容について、詳細を見ていきましょう。

機械や設備の予知保全・故障予兆検知

機械や設備の予知保全・故障予兆検知

工場で稼働する生産設備の予知保全・故障予兆検知といった分野にも、AIによる異常検知が行われています。

従来、生産設備の保全はTBM(Time Based Maintenance)や時間基準保全とも呼ばれる、設備の状態に関わらず一定期間ごとに点検やパーツ交換などのメンテナンスを行う方式が主流でした。この方式のメリットは、メンテナンス時期の管理がしやすく、生産計画などの予定が立てやすいという点です。

しかし、使用状況や設備によってはメンテナンスの頻度が過剰であったり、逆に足りないことから異常が発生するなどの課題も発生するなどのリスクも存在します。また、設備ごとの状態を把握して、それぞれに合せたメンテナンス計画を立てるのも現実的ではありません。

こうした課題に対して、AIを活用したアプローチに近年注目が集まっています。機械や設備ごとの特性に合わせた時系列データをセンサ等から収集します。(振動・圧力・温度・流量・電流..etc)。

収集したデータを基に、AIによって設備の状態を判定し、機器の異常やその兆候を検知するのです。これにより、本格的な異常や故障、機器の停止に至る前に点検やメンテナンスが行えるようになり、予知保全や故障予防検知が可能となります。

このように必要なタイミングで点検・メンテナンスを行う方式を、CBM(Condition Based Maintenance)あるいは、状態基準保全とも言います。AIによる異常検知の活用で、TBMからCBMへの切り替えが可能となるのです。

生産工程のプロセス監視・傾向変化検知

生産工程のプロセス監視・傾向変化検知

工場などの現場には多くの生産設備があります。これらの生産設備の監視には、振動や温度、圧力や負荷、電圧など設備に合わせた様々なデータを用いますが、多くの設備から複数のポイントで常時収集されたデータは非常に膨大な量になります。

また、正常に稼働する過去との比較や故障やトラブルに関連する各種データの相関関係といったものを考慮しながら多角的な分析を行うには、単に閾値で決められた判定ではなく、AIが欠かせません。

従来、人の目や分析に頼っていた設備の監視をAIによって分析することで、現場の負担を軽減し、さらに従来よりも多くのデータをリアルタイムに監視することにより、生産ラインの停止リスクを回避できます。AIによって設備を監視するという意味では、予知保全や故障予兆と似てますが、プロセスの監視や経口変化の検知では、膨大なデータのリアルタイム分析と監視がメインになります。

製造時の不良・不具合発生の要因分析

製造時の不良・不具合発生の要因分析

製造工程において不良が発生すると、仕掛品の破棄やラインの停止、不具合の原因の究明など、非常に多くの手間やコストがかかります。そのため、効率の良い生産を実現するためには、できるだけ速やかに不良・不具合発生の要因を発見できる体制にしておかなければいけません。

機械や設備に取り付けられた各種センサから得られるデータをAIによって分析することで、不良・不具合発生の要因を特定したり、早期に捉えることが可能となります。不良発生の初期段階や上流工程で不良を見つけられることができれば、その後の工程にムダをも防げます。

事例:東洋製罐株式会社様「缶製造ラインにおける缶ボディ成形工程での不良品検出

設備設定・制御パラメータの最適化

設備設定・制御パラメータの最適化

生産設備や加工機械における各種制御パラメータの設定は、従来、熟練担当者による勘やコツに頼る部分が多いものでした。

しかし、AIによって機械の停止や故障に繋がる要因を分析することで、そうした制御パラメータの最適化が可能となります。熟練担当者の勘やコツといったものを形式知化し、より安定的な機械や設備の稼働を実現できるようになるほか、技術継承や業務の一般化にも役立ちます。

組み立て作業における作業員の動作解析(作業分析)

組み立て作業における作業員の動作解析(作業分析)

組み立て作業などにおける作業員の動作は、従来、指差呼称による管理や、サイクルタイムの分析といった方法で効率化が行われてきました。

近年のAI技術の発展により、作業員の骨格をカメラによって検知をし、その動作(動画データ)をもとに、作業の抜けや誤りを検出したり、作業者の作業姿勢に負荷がかかっていないかなどといった分析・判定が可能となっています。

また、熟練者の作業をAIによって形式知化することで、サイクルタイム短縮に向けた改善も可能となります。

検査工程のAI化(外観検査)

検査工程のAI化(外観検査)

製造現場におけるAI活用で最も進んでいる領域とも言えるのが、外観検査への適用です。キズ・バリ・打痕・欠損・異物の付着などを、カメラから得られた静止画や動画データをもとに良品・不良品との判別を行います。

AI技術を利用しないコンピュータ判定(外観検査システム)なども盛んに行われてきた外観検査の領域ですが、AIを活用することで過検出を防いだり、わずかに変わる環境の変化に対応できたりなど、より実用性を持たせることが可能となってきています。

また、CADデータなどの3Dデータと実際の製造品を比較して不良を検出するなどの技術も登場しています。

導入コストの観点などから、検査員の目視(目視検査)で行われるケースもまだまだ多い分野ですが、AIの導入により、人的コストの削減だけでなく、検査の精度が上げられるほか、検査員による評価のバラつきを防いだり、トレーサビリティの確保などといったメリットにも繋がります。

今回ご紹介したものは、製造現場における代表的なAI活用の事例ですが、このほかにも様々なAI活用が行われています。

AI異常検知ソリューション「Impulse」を開発・提供する弊社ブレインズテクノロジーでは、定期的にこうしたAI活用の事例セミナーをオンラインにて開催しております。情報収集でも結構ですので、ぜひ定期的にご参加いただけますと幸いです。

製造現場におけるAI活用、何から取り組むべきか

製造現場におけるAI活用、何から取り組むべきか

今回ご紹介したように、製造現場においてAIは、多くの課題の解決に繋げられる可能性を秘めた技術です。しかし、実際に推進するとなるとどのような課題から取り組むべきか、判断に迷うこともあるかと思います。

過去に数々のプロジェクトを推進してきた弊社の経験からお伝えすると、AI活用を成功させるためには、まずは解決したいテーマを一つに絞り、スモールスタートで始めることが重要だと感じています。同時に複数のテーマを追うことは、返ってプロジェクトを複雑化させてしまい、中途半端な結果となる可能性があるためです。

また、こうしたAI活用の取り組みに挑戦する際の社内の体制強化や周囲を巻き込む力も必要です。チャレンジに前向きで、時にはサポートをしてくれる良き理解者を早期に見つけておくことも非常に重要になってきます。

もちろんそのためには、プロジェクトに明確な目的が必要です。現場の負担軽減や生産性向上による売上の拡大、あるいはコストダウン。さらには、機械や設備の停止や不良品の流出などによるリスクの排除など、会社や周囲にとって刺さりやすいテーマを見つけておくのも良いでしょう。

まとめ

さて今回は、製造現場におけるAI異常検知の活用事例やユースケースをいくつかご紹介しました。製造業においては今後さらに労働力の不足や技術継承の問題がより現実的なものとして迫ってくると言われています。

こうした状況の中、製造現場のIoT化やスマート化を積極的に進められるかどうかは、将来的な企業の生き残りを左右する重要な意思決定かもしれません。

弊社ブレインズテクノロジーが開発・提供するAI異常検知ソリューション「Impulse」は、機械学習技術の実用化を目的に、2014年市場に先駆けてリリースされて以降、数多くのお客様の「現場で鍛え上げられた」製品です。

単に製品を導入するだけではなく、プロジェクト推進のサポートやお客様の現場に合わせた開発・カスタマイズ等のご相談も可能です。AIによる異常検知にご関心がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

AI異常検知ソリューション「Impulse」の詳細はこちら

Impulse
AIを活用した予知保全に最適なソリューション「Impulse」
2014年市場に先駆けてリリースされ、数多くのお客様の現場で鍛え上げられた異常検知ソリューション「Impulse」。

複雑で膨大なセンサーからの時系列データや音声・画像・映像等からデータを収集/分析し、従来の管理では発見できなかった障害や故障予兆の検知、不良品の検出、要因分析などを行います。

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