ナレッジマネジメントシステムの課題を払拭する企業内検索という新しい発想

カテゴリ:ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントシステムの課題を払拭する企業内検索という新しい発想

社員一人ひとりが持つ知識やノウハウを組織全体で蓄積し共有し合うことで、日々の業務改善や施策に活かしていく活動のことを「ナレッジマネジメント」と呼びます。

実際にナレッジマネジメントの事例として、過去トラ(過去のトラブル事例)や、マニュアルなどの資料を業務に取り掛かる前に予習しておくことで、トラブルを未然に防いだり、自社が提供する製品・サービスの改善に役立てられているケースもあるでしょう。

そして、昨今ではこうしたナレッジマネジメントの活動を支えるための「ナレッジマネジメントシステム」と呼ばれる仕組み(主にIT製品)が少しずつ普及しているという背景も存在します。

しかしいざ、ナレッジマネジメントシステムを導入しようと思っても、そもそも自社においては何がナレッジで、どのようにそのナレッジ(情報)を構築していくべきか、そして誰がナレッジを更新するのかなど、頭を悩ますことになるのです。

そこで今回は、ナレッジマネジメントシステムにおける様々な課題に触れながら、別の発想からナレッジマネジメントを推進する「企業内検索システム」についてご紹介いたします。

ナレッジマネジメントシステムの課題はナレッジそのものの構築にある

ナレッジマネジメントシステムの課題はナレッジそのものの構築にある

冒頭でも少し触れましたが、昨今の働き方の多様化や仕事そのものの高度化によりナレッジマネジメントという取り組みに再び注目する企業が増えています。

そうした背景の中、ナレッジマネジメントを推進するためのIT製品やソリューションである「ナレッジマネジメントシステム」と呼ばれるものも少しずつ増えてきているように感じます。

しかし、こうしたナレッジマネジメントシステムを使いこなせるかどうか以前に、組織としてナレッジをどう構築・運用するかといった課題が、実はナレッジマネジメントにおける最大のボトルネックとなるのです。

例えば、以下のような課題です。実際に共感する方も多いのではないでしょうか。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.そもそも何をナレッジとして残すべきか分からない

まず最初の課題として、ナレッジと言っても具体的に何を蓄積していくべきかがよくわからないというケースです。

もちろん業務において必要なナレッジ(知識やノウハウ)がアウトプットされていて、誰もが参照できる状態が理想的であることは理解するものの、人によっても必要なナレッジの範囲や深さ(詳細さ)が異なります。

また企業活動において、新たな事業やサービスが立ち上がる中で、それに関連するナレッジも常に変化していくため、結果として何をナレッジとして残すべきか判断できないという事態に陥ります。

2.どのようにナレッジを構築すれば活用してもらえるのか情報設計が大変

人によって欲しいナレッジの範囲や深さが異なるため、それらをスピーディに参照できるようにしようと思っても、単に各ナレッジへのリンクを貼り付けただけでは、人によっては参照しづらい設計となっている可能性があります。(ナレッジの範囲や階層構造が適切でないなど)

よくWeb制作やアプリ設計などの分野で、こうした情報への参照のしやすさを「情報設計」とも呼びますが、人によって欲しいナレッジがそれぞれ異なる場合、全ての人を満足させられる情報設計を実現するのは大変難易度が高いものとなります。

3.誰がいつナレッジ(情報)を登録するのか

多くのナレッジマネジメントシステムの場合、ナレッジの登録作業が必要となります。そしてそれに伴い、誰がいつナレッジ(情報)を登録していくのかという課題が新たに浮かび上がります。

ナレッジマネジメントシステムを推進する担当者や担当部署がメインで登録作業を行う場合もありますが、現場のナレッジを全て把握できているわけではないため、結局は各現場担当者に操作方法を伝え、登録作業を行ってもらうことになるでしょう。

しかし日々業務に追われる中、活動の目的には理解できるものの、現実的にナレッジを登録する時間が取れなかったり、ナレッジを共有することへのメリットが感じられないなどの理由により、想定以上にナレッジの構築(登録)はハードとなります。

4.登録されたナレッジ(情報)の正しさは誰が判断するのか

登録する時間や意識があったとしても、次に各現場の担当者によって登録されたナレッジが「正しい」のかどうかのチェックも必要です。誤ったナレッジを登録してしまうことによって、業務に支障をきたしたり、場合によっては深刻な問題へと繋がる事態も考えられます。

ナレッジの管理者(責任者)は運用体制上必要となりますが、もちろん登録されたナレッジの確認にも多少の時間が必要となるでしょう。

5.登録されたナレッジ(情報)は誰がいつ更新するのか

登録されたナレッジは情報を更新していかなければ役には立ちません。もし情報が更新されず、社員が古い情報にアクセスしてしまえば、これも場合によってはかえって業務に支障をきたす可能性にも繋がります。

特に最初のナレッジの登録には協力的であっても、ナレッジが陳腐化しないように更新する作業は非常に評価されづらいものであるため、多くの企業においてこの更新作業もナレッジマネジメントのボトルネックとなります。

さてご紹介したように、いざナレッジマネジメントの取り組みを現実的に進めようと思うと、様々な課題が障壁となって立ちはだかるのです。

そこで私たちがご提案したいのが、今すでに存在する社内のデータをもっと活用し、障壁となるナレッジの登録を最初から諦めるという発想です。

弱点であるナレッジの登録を最初から諦めるという発想

弱点であるナレッジの登録を最初から諦めるという発想

先ほどご紹介したように、残すべきナレッジの範囲や深さ、はたまた誰がナレッジを登録・更新するのかといった課題は、ナレッジマネジメントを推進する上で非常に重たい課題となります。

またこのような課題に対して、一つひとつ解決していくには相当な労力や緻密な仕組みづくり、そしてプロジェクトの推進力が必要となってきます。

このような課題に対して筆者が提案したいのが、そもそもナレッジマネジメントシステムにナレッジを一つひとつ登録することを諦めて、今すでに社内に存在しているデータを活用することで、ナレッジマネジメントを推進するという発想です。

具体的には、ファイルサーバなど社内に保存されている様々な資料やデータの検索性を高めることです。検索によって様々なナレッジを従業員が自ら探し出せる環境を用意するのです。

企業内検索システムとは

企業内検索システムとは、ファイルサーバなど企業内に存在する様々な電子データをブラウザ画面からキーワードを入力し、瞬時に検索できる仕組みです。

数百TB規模の容量や数億件レベルの文書ファイルといった大規模かつ大容量のデータからでも、スピーディな検索を実現し、素早く欲しい情報に辿り着けるのが「企業内検索システム」の最大の特長です。一言で表現をすると、社内版のGoogleやYahoo!のようなイメージです。

またファイルサーバだけでなく、社内ポータルサイトや各種DBなどのオンプレミス環境にあるデータストレージから、SharePoint OnlineやBoxなどのクラウドストレージも含めて横断的に検索がかけられるため、実際の利用者(検索するユーザ)はどこに目的のファイルが保存されているのかを意識することなく、目的の資料やデータを探し出すことが可能です。

では、このような検索システムがなぜナレッジマネジメントに有効なのでしょうか。

企業内検索システム「Neuron ES」がナレッジマネジメントに役立つ理由

企業内検索システム「Neuron ES」がナレッジマネジメントに役立つ理由

企業内検索システムの中でも、弊社ブレインズテクノロジーが開発・提供する「Neuron ES」は、ナレッジマネジメントといった取り組みにも効果を発揮します。

その理由としては以下です。

それぞれ詳しく解説します。

1.社内の膨大なファイルから高速かつ横断的に検索できる

「Neuron ES」は企業内にある様々な資料やデータの保存場所を意識することなく、高速かつ横断的に検索ができる企業内検索システムです。

ファイルサーバや社内ポータルサイト、各種DBといったオンプレミスの環境から、SharePoint Online、Box、Dropboxといったクラウドストレージなども、キーワードを入力するだけで横断的に検索がかけられます。

スピーディかつ横断的な検索を普段の業務に取り入れることで、社内に保存された様々な情報やナレッジを目にする機会が必然的に向上します。

2.全文検索によって新たな資料の発見にも繋がる

「Neuron ES」はファイル名はもちろん、ファイルの中身すべてを対象とした「全文検索」に対応しています。そのため、資料やデータ内でほんのわずかに記載されたキーワードであっても検索にヒットするため、思いもよらない新たな資料の発見にも繋がります。

新たな業務に取り掛かる前にまず検索を行い、関連する資料(ナレッジ)はないか確認を行った上で業務に入るという習慣ができるため、品質やサービスの向上にも貢献します。

3.キーワードが思いつかなくても他の人が検索するキーワードがサジェストされる

さらに「Neuron ES」では、他の社員がよく検索しているキーワードが検索候補として表示される「キーワードサジェスト」の機能を有しています。

そのためキーワードが思いつかなくとも、周囲がどんなキーワードで検索を行っているか確認できるため、ナレッジの取りこぼしを防ぐことにも役立ちます。

4.各資料に対してタグを付与することで欲しいナレッジへすぐにアクセス可

他にも「Neuron ES」は、フォルダやファイルごとに、独自のタグを付与する機能があります。付与したタグを検索の絞り込みの際に利用することで、タグが付与されたファイルだけを検索結果に残すことが可能です。

タグはあらかじめ管理画面で用意したものを設定(表示)できるので、現場で頻繁に使われるナレッジ(案件名・作業内容・事象など)が存在する場合に特に有効です。

5.【開発中】ナレッジ(キーワード)の関連性をバブルチャートで表示

現在「Neuron ES」では、ナレッジ(キーワード)の関連性をバブルチャートで表示する機能を開発中です。これにより、どのようなキーワードが関連項目として相関関係または因果関係にあるかを一目で確認することができます。

まとめ:ナレッジ構築の手間から解放!小さく始めるナレッジマネジメント

本記事では、ナレッジマネジメントシステムにおける課題について解説しました。そしてそうした課題に対して、ナレッジを一つひとつ構築することを最初から諦めて、今社内に存在するデータを活用するという発想をご提案させていただきました。

ナレッジマネジメントを推進するために、専門のシステムを検討していたものの、改めて今回ご紹介したような課題感に共感いただけましたらば、ぜひ検索システムによって、社内に眠るナレッジを従業員が自ら情報を取りに行くことができる環境をご検討いただけますと幸いです。

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