ファイルサーバのクラウド化によるメリット&デメリットと併用時の課題を解決する新たな方法とは
カテゴリ:技術課題・解決法
ファイルサーバの容量圧迫や老朽化などの理由に加え、ファイル共有における高い利便性やサーバ管理コストの低減が見込める「クラウドストレージ」への移行を検討する企業も少なくありません。
しかし、実際にファイルサーバからクラウドストレージへの移行を検討する場合、見落としがちな課題も存在します。
そこで本記事では、
- ファイルサーバのクラウド化が盛り上がりを見せる背景
- ファイルサーバのクラウド化によるメリット
- 見落としがちなファイルサーバのクラウド化によるデメリット
について改めてご紹介します。
加えて、ファイルサーバのクラウド化に潜む課題の一部を解決する企業内検索システムについてもお話させていただきます。
- ファイルサーバの各種課題を企業内検索システムで解決!
- 管理ルールを定めても現場で守られない、整理したいが必要なファイルか分からない、別サーバだと上手くファイル共有できない、クラウドに移行するかまだ判断できないなど、ファイルサーバには様々な課題が存在します。これら課題を企業内検索システムの導入でサクッと解決しませんか?
目次
近年盛り上がりを見せるファイルサーバのクラウド化
改めて、なぜ近年ファイルサーバのクラウド化が盛り上がりを見せているのか、その背景を少しだけご紹介します。
そもそも、世の中にパソコンが普及し始めた頃は、インターネット回線も脆弱がゆえに、業務においてインターネットを利用する機会はほとんどなく、当然「クラウドストレージ」という概念自体が存在していませんでした。
そのため、企業活動で取り扱うデジタルデータを情報資産として保管するためには、自社でサーバを立てる必要がありました。
以後その傾向はしばらく続き、企業で取り扱うデジタルデータの容量や種類も多様化していく中で、ファイルの保管に特化した「ファイルサーバ」が登場し、データの転送スピードやデータストレージとしての容量などが少しずつハイスペックなものへと変化していきます。
2000年代後半から2010年代前半には、インターネット回線の高速かつ安定化、セキュリティ技術の高度化などの技術も発展し、業務においてもより身近にインターネットが利用されるようになると同時に、
・企業活動におけるデジタルデータのさらなる肥大化・多様化
・それに伴うファイル共有の利便性の追求
・スマホやタブレットなどデバイスの多様化
・働く場所を選ばない柔軟な働き方への対応
といった理由を背景に「クラウドストレージ」が登場します。
これまで自社内でサーバを立てるしかなかったものが、外部のストレージを利用することで保守やメンテナンスといった管理が不要となるだけでなく、肥大化するデータにも柔軟に対応でき、さらには利用者にとってもファイル共有の利便性が高まるということで、一気に盛り上がりを見せているのです。
(ファイルサーバがクラウドストレージと比較して劣っている訳ではありません。記事後半では実は見落としがちなクラウドストレージの課題についてもご紹介しております。)
ファイルサーバのクラウド化によるメリット
では、具体的にファイルサーバをクラウド化(クラウドストレージへ移行)することによるメリットを考えてみます。
ファイル共有の利便性が高い
まずはなんといってもクラウドストレージを利用するメリットとして大きいのは、ファイル共有の利便性が高いことです。
二段階認証やシングルサインオンなど、社外からのアクセスに関して何らかのセキュリティ対策が行われている前提にはなりますが、通常インターネットにさえ繋がっていれば、どこからでもクラウドストレージにアクセスできるようになります。
従業員間でのファイルの受け渡しが便利になるだけでなく、スマホやタブレットなどデバイス問わず利用しやすいのもポイントです。
またクラウドストレージによっては、文書ファイルのバージョン管理も容易です。同じ階層・同じファイル名でアップロードすれば、自動的にバージョン管理が行われ、元のバージョンに復元するなども簡単になります。
サーバ保守・メンテナンスが必要ない
ファイルサーバからクラウドストレージに移行するメリットの二つ目は、サーバの保守やメンテナンスといった管理が必要ない点です。情報システム部門の担当者にとっては、実はこれが最も大きいメリットと感じている方も少なくないでしょう。
自社でファイルサーバを立てる場合、サーバ管理は自社で対応するか外部委託する必要があります。自社で管理を行う場合、何らかのトラブル(遅延や障害、物理的な故障など)が発生した場合の対処や、あるいは発生する前のメンテナンスは自分たちで行わなければなりません。
こうしたサーバの保守やメンテナンスを外部に委託するケースも珍しくありませんが、当然その分の費用が発生します。そのほか、ファイルサーバは会社の情報資産・機密情報を扱うものなので、様々なセキュリティ対策を講じる必要もあります。
一方でクラウドストレージを利用する場合は、サービス側が提供するサーバを利用するため、例え何らかの障害が起こったとしても、自分たちで対処する必要がありません。(むしろ自分たちで対処ができない)
容量が増えた場合でも柔軟な対応が可能
クラウドストレージを利用するメリットの三つ目は、データ容量が増えた場合でも柔軟な対応が可能な点です。日々企業活動において、顧客や取引先からデータを受信したい、新たにデータを作成するなど、膨大なデータが蓄積されていきます。
ファイルサーバの場合、途中でデータ容量が圧迫してきたとしても、元々容量が増えることがあまり想定されていない仕様であるケースが多いため、ハードウェア自体を取り替える必要があり、その期間ファイルサーバが利用できないなど、現実的に対処できない事案が発生します。
そのためよくあるケースとして、容量が切迫してきた段階で2台目・3台目など、複数のファイルサーバを併用して利用する企業も少なくありません。
クラウドストレージであれば、利用する容量の追加も比較的容易に対応できる設計となっており、かつその対応もサービス提供側が行うため、情報を管理する担当者の手を煩わせることなく容量を増やすことが可能です。
このようにファイルサーバと比べて、利用者にとってファイル共有の利便性が高まるだけでなく、管理者側にとって保守や管理の煩雑さから解放されるという大きなメリットがあるのです。
では反対に従来から利用するファイルサーバと比べて、クラウドストレージを利用するデメリットはあるのでしょうか。
ファイルサーバのクラウド化によるデメリット
先ほどファイルサーバからクラウドストレージへ移行するメリットをいくつかご紹介しましたが、やはりデメリットも存在します。
メリットばかりについ目がいきがちですが、その後しっかりと検討すると意外な落とし穴も見えてきます。
- データ容量・利用ユーザー数によっては利用料が高額になる
- 一度移行してしまうと別のサービスや元のファイルサーバに移行しづらい
- 機密文書類のアクセス権が思うように設定できない
- 移行時の綿密な計画が必要となる
- 新たなツール導入により社内からの問い合わせが増える
- そもそも機密文書を外部企業が運営するサービスに保管すべきか分からない
- ファイルサーバと併用する場合、社内の情報が分散してしまう
デメリット1:データ容量・利用ユーザー数によっては利用料が高額になる
一般的にクラウドストレージの利用料金は、月額課金であるケースも多く、そこまで高いイメージはありません。しかし、社内に存在するデータ量が膨大であったり、利用ユーザー(従業員数)が多い場合、それが逆転するケースもあるのです。
通常ファイルサーバを用意する場合、初期設定などを自分たちで行えるのであれば、サーバの調達だけで済みます。(外部に委託する場合は、初期導入費用や保守・メンテナンスなど様々かかります。)
しかしクラウドストレージの場合、物理的なサーバ利用料や初期費用、保守・メンテナンスといった見えにくいコストを含めて、月額の利用料金として乗ってきます。
もちろん万が一、サーバの遅延や障害などアクシデントが起きた場合の対応やセキュリティ対策などを行わなくて済むコストを考えると高いものではありませんが、サーバ代だけでなく人件費なども考慮して、長期的に見てどちらがお得か考える必要があります。
デメリット2:一度移行してしまうと別のサービスや元のファイルサーバに移行しづらい
大きな企業であればあるほど、データ量もそうですが、これまでの習慣やルールをすぐに変更できるわけではありません。ファイルサーバからクラウドストレージに移行すると決めたとしても、それを実行・完了させるまでにはそれなりの計画や期間を要します。
ですので、クラウドストレージに移行した後で、使い勝手や機能への不満、あるいはコストの問題などで、元に戻す・別のサービスに移行するといった判断もすぐに行えるものではありません。移行する際には、しっかりとリスクを考慮した上で、いきなりではなく少しずつ移行するのが現実的な流れとなるでしょう。
デメリット3:機密文書類のアクセス権が思うように設定できない
企業活動を行う上でいくら風通しがよくオープンな社風であったとしても、最低限の機密情報は存在します。ファイルサーバであれば、アクティブディレクトリなどの設定によって、従業員の所属やレイヤーなどによって、閲覧できるフォルダに制限をかけているケースも少なくありません。
クラウドストレージにおいても同じような設定で閲覧権限の制限をかけたいところですが、一部のサービスによっては、ファイルサーバと同じ設定がかけられず、権限設定のルールを再考する必要が出てきます。複雑なアクセス制限がかけられているフォルダがいくつもある場合、意外と手間となる場合もあるでしょう。
デメリット4:移行時の綿密な計画が必要となる
ファイルサーバからクラウドストレージに移行する際に、ファイルサーバ内のデータをそのまま一括でアップロードする方法もありますが、現実的にはすぐに移行するフォルダ(ディレクトリ)とそうではないフォルダ(ディレクトリ)を分けながら、少しずつ移行を図るのが一般的です。
というのも、一括でクラウドストレージにアップロードするとなると、データ量が膨大なために時間がかかり、途中でネットワークが中断したり、ファイルサーバやクラウドストレージに何らかの遅延や障害が発生するなどで、上手く移行ができないためです。(自動でアップロードを再開される場合もあるが、中断等によりアップロードできなかったディレクトリやファイルが存在しないか確認する必要がある)
とは言え、時間をかければかけた分だけ、日々業務で利用されるファイルサーバとの差分も生まれてきてしまうため、移行はできるだけ綿密かつ計画的に行わなければなりません。(差分データが生じることも想定して移行を図るなど)
時に関係部署への丁寧な説明が必要だったりもするので、それがゆえに重たい腰が上がらないという担当者も少なくありません。
デメリット5:新たなツール導入により社内からの問い合わせが増える
ファイルサーバからクラウドストレージに移行するにあたって、基本的には直感的な操作で扱えるものも多いですが、社内のITリテラシーやこれまでのファイル保存ルールから変更が生じる場合など、従業員への丁寧な対応が求められる場合もあります。
事前の説明を十分に行ったとしても、移行に伴って一時的に社内からの問い合わせが生じるのは想定しておかなければなりません。
クラウドストレージによっては、共有設定を誤ることで外部からアクセス可能な状態となってしまう例も実際に起きているため、移行前に操作やルールは社内に周知しておかなければなりません。
デメリット6:そもそも機密文書を外部企業が運営するサービスに保管すべきか分からない
ファイルサーバであれば自社のオンプレミスの環境であるため特に問題ありませんが、クラウドストレージの場合は、サーバ提供はクラウドストレージ側となるため、どれだけセキュリティ対策が万全であっても、そもそも会社の機密情報をこうした外部環境に設置することに懸念やリスクを持つ企業も珍しくありません。
その場合、ファイルサーバとクラウドストレージを併用して、機密情報のみオンプレミスのファイルサーバを利用する併用での対応を取るケースもあれば、従来通りファイルサーバだけで管理していくケースもあるようです。
デメリット7:ファイルサーバと併用する場合、社内の情報が分散してしまう
クラウドストレージの利便性は理解しつつも、ここまで紹介したような課題に対応するためにファイルサーバとクラウドストレージを併用しながら、少しずつ移行を図ったり、しばらくどちらも併用する方針を取るなども珍しくありません。
しかし当然ファイルの保存場所が増えることになるため、運用していく中でどちらに保存したか分からなくなり「情報の検索性」が落ちるといった新たな課題も出てきます。また同時に複数のクラウドストレージを検討・利用する場合は、さらに保存場所が分散されてしまうでしょう。
こうしたファイルサーバとクラウドストレージの併用によるファイルの検索性の問題を解決するのに役立つのが、次に紹介する「企業内検索システム」です。
ファイルサーバのクラウド化によるデメリットの一部を解決する企業内検索システム
「企業内検索」とは、ファイルサーバやクラウドストレージなど様々なファイル保存場所(データストレージ)を横断的に一括で検索できるシステムです。
▼企業内検索システム「Neuron ES」の詳細はこちら
https://www.brains-tech.co.jp/neuron/
企業内の膨大なデータを普段使用するブラウザ画面から、まるで日常でインターネットを利用するように、直感的な操作のみで社内の情報を検索できます。
大規模・大容量(数百TB・数億件の文書ファイル)なデータからでも瞬時に検索結果を返すことができるため、従業員の業務効率化に直結します。
また検索によってこれまで存在すら知らなかった資料の発見にも繋がるため、ナレッジマネジメントにも期待できます。
企業内検索システムがファイルサーバのクラウド化と併せて導入しやすい理由
余談ですが、ファイルサーバからクラウドストレージに移行する最大のメリットはファイル共有の利便性が挙げられます。一方で情報システム担当者にとっては、サーバの保守・メンテナンスといった管理業務が不要となるため、実はそこに大きなメリットを感じていらっしゃる方も少なくないでしょう。
しかし企業によってはファイル共有の利便性だけでは移行のメリットがそこまで感じられず承認が得られない、あるいは併用の煩わしさがネックとなり話が進まないなどの話もあるようです。
そのようなケースにおいて「企業内検索システム」を併せてご提案いただくことで、従来から利用するファイルサーバを含めた検索性が向上することでの”業務の効率化”はもちろん、検索による新たな資料の発見(ナレッジマネジメント)といった効果も期待できるようになります。
クラウドストレージへの移行をご検討の方はぜひ「企業内検索システム」もご検討くださいませ。
企業内検索システム「Neuron ES」
弊社ブレインズテクノロジーが開発・提供する「Neuron ES」は、豊富な導入実績を誇る企業内検索システムです。
大規模・大容量でも高速なレスポンスを得意とするだけでなく、シンプルかつ分かりやすいインターフェースでご好評をいただいております。(大手IT製品比較サイト「ITトレンド」においても「エンタープライズサーチ(企業内検索システム)」部門で5年連続1位を獲得しています。)
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まとめ
今回はファイルサーバをクラウド化するメリットと意外と見落としがちなデメリットについて解説いたしました。
ファイルサーバのクラウド化を進める場合、本記事で紹介したような課題が発生するため、現実的にはファイルサーバとクラウドストレージの併用を行うケースが多々あります。
しかし両者を併用することで、社内の情報が各データストレージに分散してしまい、検索性が損なわれてしまいます。
そこで「Neuron ES」などの企業内検索システムを導入することで、データの検索性を高めつつ、ファイルサーバのクラウド化のデメリットを補えます。ファイルサーバをお使いの方はもちろん、クラウド化を検討されている方はぜひ併せて覚えていただけますと幸いです。
▼企業内検索システム「Neuron ES」の詳細はこちら
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- ファイルサーバの各種課題を企業内検索システムで解決!
- 管理ルールを定めても現場で守られない、整理したいが必要なファイルか分からない、別サーバだと上手くファイル共有できない、クラウドに移行するかまだ判断できないなど、ファイルサーバには様々な課題が存在します。これら課題を企業内検索システムの導入でサクッと解決しませんか?
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