文書の電子化としてPDF化するだけではデータ活用とは言えない理由
カテゴリ:技術課題・解決法
近年注目されているDX推進やデータ活用などの取り組みに伴い、電子化されていない文書(手書き文書や活字でも電子化されていない資料など)のPDF化に注目する企業も少なくありません。
しかし単にこうした文書を電子化するだけでは、真の意味での「データ活用」には程遠いのが実態です。それはなぜなのでしょうか。
今回は文書の電子化にまつわる課題とその解決策についてご紹介いたします。
目次
文書の電子化に取り組む企業が増えている背景
最初にまず、文書の電子化に取り組む企業が増えている背景について改めておさらいしたいと思います。
文書の電子化に取り組む企業は増加傾向にある
経済産業省の「令和2年度中小企業のデジタル化に関する調査に係る委託事業報告書(p41下部)」によれば、コロナ禍になる前から文書の電子化を進めている企業は、回答があった4,827社のうち1,299社となっています。さらに、コロナ禍に入ってから電子化に取り組み始めた企業は1,101社となっており、半数近い企業が電子化に取り組んでいることが分かります。
なぜ文書の電子化に取り組む企業が増えているのか
企業が文書の電子化に取り組む理由として、具体的には以下のようなメリットがあると考えられています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
文書の管理や検索がしやすくなる
まず文書を電子化する最大のメリットは、文書の管理や検索がしやすくなる点にあります。物理的な紙資料ではコンピュータによる検索ができないどころか、管理や整理も難しく、業務の生産性が低下する可能性もあります。
文書を電子化することで、必要な情報を一括して検索することができるだけでなく、データ管理やバックアップを取ることで資料の紛失リスクが格段に減少するほか、パスワードを設定し閲覧者を制限することでセキュリティ対策も可能です。
印刷や配布コスト削減ができる
また、文書を電子化することで印刷や配布コストを削減できるのも、企業が電子化に取り組む理由のひとつです。
コピー用紙の調達やインクの補充なども不要となり、無駄なコストを削減できます。また電子化された文書は、メールやチャットなどに添付することができるため、1件ずつ配布する必要もありません。
紙として保管しておく場所が不要となる
紙ベースの文書は、保管する場所の確保も必要となります。資料の多くを紙で残している場合、その資料を倉庫に保管するケースも少なくありません。
しかしそれらを電子化することで、保管場所にかかるコストも削減できます。
メール配布やSNS連携などをすることで顧客接点が増える
2020年以降、新型コロナウィルス感染拡大後に業務の非接触化やオンライン化が進んだことも、文書の電子化がより一層加速した要因のひとつと言えるでしょう。
実際に先にご紹介した経済産業省の調査(p41上部)では、新型コロナウイルス感染拡大後にオンラインでの商談・営業が増えた企業は1,920社にものぼっています。
文書の電子化をすることで、メールやSNSなどで情報を拡散しやすく、これまでのように手渡しでカタログやチラシを配布するよりも広範囲にわたって販促活動が行えます。
このように文書の電子化を行うことで、企業活動においても、働く私たちにとっても様々な恩恵が受けられます。
しかし、単に文書をPDFファイルなどへ変換(電子化)するだけでは、真の意味で「データ活用」ができているとは言えないのです。
単に文書をPDF化しただけでは「データ活用」とは程遠い
電子化されていない文書を電子化する場合、カメラなどで撮影を行い画像データとして保存する方法もありますが、一般的にはスキャナーを使用してPDF化を行います。また膨大な紙資料が存在する場合、1枚1枚自分たちでスキャニングを行うのは非効率なため、専門のソリューションやサービスを活用するケースも多いでしょう。
しかし、こうしたソリューションやサービスを使って文書をPDF化しただけでは、真に「データ活用」ができている状態とは言えません。
もちろん、紙資料を電子化することで物理的な管理が不要となり、保管場所・保管コストが下げられるという点においては、すぐに電子化の恩恵が受けられるのですが、文書を電子化する本来の目的は、電子化された文書を有効活用し、業務の効率化や自社製品・サービスの改善、あるいは新たなアイデアを生み出すことにあるのではないでしょうか。
- 文書の検索ができるようになり、本来の業務に時間が使えるようになった
- これから取り組む業務にまつわる資料を事前に確認できるようになった
- お客様からの問い合わせに対して、スピーディに回答できるようになった
- 過去の資料を活用することで、ゼロから資料を起こす必要がなくなった
- 過去の資料から新しい施策やアイデアの知見が得られた
このような状態に至ることで、初めて企業における真の意味での「データ活用」に近づくのではないかと考えます。
もちろんそのための第一歩として、紙資料のスキャニングや、OCRによる文書内の文字認識(テキストデータ化)が必要となるわけですが、電子化しただけでは上記のような状態には近づけないのです。
電子化された文書ファイルを効率的に検索する術が必要
電子化された文書ファイルを実際に活用するためには、それらを効率的に検索できる仕組みが必要です。
その方法のひとつとして挙げられるのが「企業内検索システム」です。
「企業内検索システム」とは
企業内検索システムとは、ファイルサーバなどに保管された電子データをスピーディに検索できる仕組みのことで、ひとことで表現をすると「企業内の検索エンジン」です。(通称「エンタープライズサーチ」とも呼ばれる。)
企業内に存在する膨大な資料やデータから、素早く検索が行えるだけでなく、検索結果画面において、キーワードとの関連度順や新着順などで並び替えができたり、ファイルを一つひとつ開かずとも、探していた資料かどうかが確認できるサムネイルやプレビューといった機能が備わっているため、目的の情報に素早く辿り着くことが可能となります。
さらに、ファイルサーバだけでなく、社内ポータルサイトや現場帳票システム、SharePoint OnlineやBoxなどのクラウドストレージといった様々なデータの保管場所(ストレージ)とも連携ができ、これらをまたいて横断的に検索ができるため、利用者はデータがどこに保存されているかを意識することなく、目的の資料を検索によって探し出すことができます。
企業内検索システム「Neuron ES」
弊社ブレインズテクノロジーが開発・提供する企業内検索システム「Neuron ES」は、膨大な資料やデータからでも素早く検索ができるスピード性に加え、OCRと呼ばれる光学文字認識技術にも対応しているため、スキャニングなどを行ったもののまだテキスト化されていない文書をも自動でテキストデータへと変換できます。
テキストデータとして変換されることで、中身の検索が可能となるため、元の紙資料などでは実現できなかった電子化による恩恵が受けられるようになります。
また普段の業務においても、素早く目的の情報に辿り着けるため、従業員の業務効率化はもちろん、検索によって新たなナレッジ(知識)を発見したり、業務に取り掛かる前に検索によって関連資料を参照することで、自社製品やサービスの品質を上げるといった活用も可能です。
文書の電子化を検討・実施される際は、ぜひ検索システムも併せてご検討いただけますと幸いです。
企業内検索システム「Neuron ES」についての詳細はこちら
まとめ
さて今回は、文書の電子化によって受けられる恩恵と電子化しただけでは真の意味での「データ活用」とはほど遠い理由についてご紹介いたしました。
文書の電子化と聞くと、スキャニングによるPDF化、あるいはOCRによるテキストデータ化を思い浮かべるかと思います。もちろん最初の一歩として必要な手順ではありますが、単に電子化しただけでは、それらを有効活用できている状態とは言えないのです。
そこで「企業内検索システム」のような仕組みを利用することで、電子化した文書・資料を積極的に利活用できる環境についても併せてご検討いただければと思っております。
企業内検索システム「Neuron ES」についての詳細はこちら
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