エンタープライズサーチ(企業内検索システム)とは?

エンタープライズサーチ(企業内検索システム)のイメージ

エンタープライズサーチとは、企業内に点在するデジタルデータを、高速かつ横断的に検索することができる、社内向けの検索システムのことです。私たちが普段の生活でよく利用する”インターネット検索の社内版”のようなイメージを持って頂くと分かりやすいでしょう。

このエンタープライズサーチを導入することで、企業内に保管された膨大なデジタルデータ(Office文書・PDF・テキスト・画像・動画ファイルなど)の中から、探したい情報を素早く見つけ出せるため、従業員の業務効率化を目的に導入する企業も増えています。

また業務の効率化だけでなく、従業員間におけるナレッジ共有、過去資料の利活用、高速かつ横断的な検索を利用したスピーディな顧客対応、検索需要からの従業員の課題把握など、幅広い用途におけるDX推進ツールとしても活用されています。

エンタープライズサーチの活用シーン

エンタープライズサーチの活用シーン(クリックで拡大表示)

本ページでは、累計300ライセンス以上の導入実績を誇る、エンタープライズサーチ「Neuron ES」の開発・提供を行うブレインズテクノロジー株式会社が、エンタープライズサーチについての概要や業務での活用シーンを分かりやすくご紹介いたします。

エンタープライズサーチ(企業内検索システム)とは

冒頭でもお伝えしたように、エンタープライズサーチとは、企業内に点在する膨大なデジタルデータ(Office文書・PDF・テキスト・画像・動画ファイルなど)を、高速かつ横断的に検索することができる、社内向けの検索システムです。

このような特徴から、エンタープライズサーチという呼び名以外にも、企業内検索システム、企業内検索ツール、企業内検索エンジン、検索ソフト、社内検索ソフト、イントラネット検索など様々あります。今回はエンタープライズサーチと表現させて頂きます。

エンタープライズサーチの特徴としては、大きく次の4つです。
それぞれ詳しく解説します。

特徴その1.社内に点在するデータを網羅的に検索ができる(横断検索)

まずはお伝えしているように、企業内に点在する膨大なデジタルデータの保存場所(ストレージ)を意識することなく、まるで私たちが普段よく利用するインターネット検索のように社内情報を検索できるのが、エンタープライズサーチ最大の特徴です。

横断検索により、探したい資料やデータがある際に、ファイルサーバ、社内ポータルサイト、社内DB、クラウドストレージなど、それぞれのストレージ(保管場所)で検索する必要がなく一括で検索ができるため、検索の効率化が行えます。

膨大なファイルが検索対象となる場合でも、特定のストレージ、特定のフォルダに絞って検索をしたり、検索結果で最新順(最終更新日)での並び替えもできるため、直感的に探したい資料を見つけ出すことが可能です。

特徴その2.ファイルの中身すべてから検索ができる(全文検索)

エンタープライズサーチの二つ目の特徴は、ファイルの中身すべてを検索対象とする「全文検索」の機能を有することです。「全文検索」と聞いてもあまり馴染みの無い言葉かもしれませんが、実は非常に重宝する機能とも言えます。

全文検索とは、ファイルの中身全てを検索対象とした検索方法です。

例えば、何かのサービスで検索を行った際に、ファイル名だけが検索に引っ掛かるだけで、ファイルの中身にまで検索の対象が及ばず、見つけたい資料が見つけられなかったという経験をした方もいるのではないでしょうか。(ファイル名を覚えていないケースなど)

またクラウドストレージなどの検索機能では、文書ファイルの先頭2〜3ページ程度までは検索対象としてヒットするものの、それ以上に渡るような長文である場合、後半の内容まで検索対象とはならないといったケースも存在します。
エンタープライズサーチは、検索対象となる各ファイルの中身すべてのテキストデータを検索対象としているため、こうした検索漏れを無くすことができるのです。

全文検索によって「社内にファイルが存在しない」という諦めにも繋がる

この全文検索の機能を逆手にとって、検索をかけても何も見つからない場合、社内には探したいデータは存在しないという素早い諦めにも繋がります。(個人PCや検索対象としていないストレージが存在する場合は除く)

特徴その3.膨大なデータ量からでも高速な検索結果の表示を実現

エンタープライズサーチは、膨大なデータ量からでも高速に検索結果を返すことが可能です。

数億文書・数百TB、数千人規模の従業員が利用する環境でも、弊社の提供するエンタープライズサーチ「Neuron ES」は高速な検索結果を実現しています。

特徴その4.サムネイル・プレビュー機能により、ファイルを開かなくても資料の中身が確認できる

最後の特徴は、検索結果におけるサムネイル・プレビュー機能により、ファイルを直接開かずとも資料の中身が直感的に確認できることです。

私たちが普段ファイルを検索する際、ファイル名やファイルの種類などを見て欲しい資料かどうかを判断しますが、内容によってはそれらのだけでは判断できない場合も少なくありません。しかしその際に、いちいちファイルの中身を開いていては、多くの時間を費やすこととなり、素早く目的の情報を見つけ出すことができません。

サムネイル・プレビュー機能で素早く目的の文書へ

エンタープライズサーチ「Neuron ES」は、PDFファイル・PowerPointファイルの冒頭数ページのサムネイル画像表示や、PDF変換によるプレビュー機能を有しています。

これにより、検索結果においてファイルの中身を判断する際に、いちいちファイルを開く必要がなく、直感的に欲しいデータかどうかの判断ができるようになります。

また、プレビュー機能はファイル中身をテキストデータとしてもコピーできるので、ファイル内の一部のテキストをコピーしたいなどの作業であれば、Neuron ESの画面上だけでそれを完結させることができます。

今回は主な4つの特徴に絞ってご紹介しましたが、エンタープライズサーチのこれら機能によって、私たちの普段の業務をさらに効率化させることができます。時短というだけでなく、より創造的な業務に集中するための時間を作り出すことにも繋がるのです。

事例紹介(業務効率化):株式会社アイシン様
〜1000時間/⽉以上の削減効果でスタッフ業務の⽣産性向上を実現〜

事例紹介(業務効率化):三菱電機株式会社様
〜膨大な電子データのタイムリーな検索のために「Neuron ES」を導入〜

事例紹介(業務効率化):清水建設株式会社様
〜全社横断検索プラットフォームとして「Neuron ES」を採用〜

業務効率化以外にもたらされる効果

エンタープライズサーチを導入する最大のメリットは従業員の業務効率化ですが、実は業務の効率化以外にも副次的なメリットが存在します。

いくつか代表的なものを実際の導入事例と併せてご紹介します。

過去資料の利活用

エンタープライズサーチを導入することで、過去資料の利活用が進んだというケースです。

「Neuron ES」が持つ「あいまい検索機能」や「類似ファイルのレコメンド機能」などによって、検索キーワードが例え正確でなくても、求めている資料に辿り着くことができます。また、自分が知りたいことなどをキーワード入力して検索するだけで、これまで存在にすら気がつかなかった情報を知る機会にも繋がります。

エンタープライズサーチを利用することで、過去資料の利活用がなされ、資料作成時の精度向上や資料作成時間の短縮にも繋がります。

また「Neuron ES」は、OCR(光学的文字認識)にも対応しているため、社内に存在するテキストデータ化されていない文書を自動的にテキストデータ化し、検索対象として含めることができます。社内に眠る資料の中にも、デジタル化することで活用へと繋がる文書もあるかもしれません。

事例紹介(業務効率化):千代田化工建設株式会社様
〜過去資料の活用により資料作成にかける時間の削減にも繋がっている〜

ナレッジ共有(ナレッジマネジメント)

ナレッジ共有(ナレッジマネジメント)とは、従業員が培ってきた知識や経験を言語化し、別の従業員にもそれを共有・展開することで、会社全体での知識・スキルレベルを高めようという取り組みや考え方のことです。

エンタープライズサーチ「Neuron ES」は、検索結果にてファイルの「最終更新者」を表示させることが可能です。この表示を手がかりにすることで、社内において誰がその情報に詳しいのかが一目で分かるようになり、情報収集の手順を大幅に減らすことができます。

また先ほどの過去資料の利活用と同じく、自分が知りたいキーワードで検索をかけるだけで、過去の類似事例の発見や、思わぬ情報の発見にも繋がり、ナレッジ共有ツールとしての活用にも広げられます。

さらに、検索対象を他チーム・他部署・他拠点などへと広げることで、社内における横軸での取り組みを発見したり、ナレッジを参考にするなどの使い方も可能です。

事例紹介(業務効率化):本田技研工業株式会社様
〜部署横断のナレッジ共有により資料作成時間の短縮に貢献〜

ベテラン社員の負荷軽減

長年培ってきた経験があるからこそ、ベテラン社員は多くの知識を有しています。それ故に、社内でも多くの質問を受ける機会も多くなります。

しかしどの企業でも、このような頼りになるベテラン社員は忙しく時間がありません。

エンタープライズサーチを利用することで、資料(単なるテキストメモでも可)にさえ残っていれば、ベテラン社員が受ける社内FAQ的な負荷を下げられるかもしれません。

若手社員の自立的な働き方支援

反対に若手社員にとっても、常に忙しそうなベテラン社員に対して質問することに躊躇する場面もあるでしょう。仮に忙しそうではない場面であっても、質問内容によっては、今さら聞きづらい、初歩的すぎるなど、質問内容に不安を持つ方もいるでしょう。

エンタープライズサーチであれば、いつどんな内容でもすぐに回答してくれるため、若手社員にとってもストレスなく欲しい情報に辿り着けるというメリットが生じます。

リモートワークでの働き方支援

似たような事例ですが、若手・ベテラン関係なく昨今の社会情勢からリモートワークが普及し、気軽に質問できる機会が減ったという声も聞かれます。

そのような場合でも、エンタープライズサーチは時間も内容も選ばず気軽に質問できるツールとして重宝されています。いわば「社内wiki」のような使い方としても活用することが可能です。

事例紹介(業務効率化):三菱電機株式会社様
〜リモート下においても業務効率化に貢献〜

コールセンターにおける顧客対応力の向上

エンタープライズサーチの膨大な情報を素早くタイムリーに探し出せるという特徴から、コールセンターやコンタクトセンターなどでも導入が進んでいます。

膨大な製品情報から、問い合わせの内容に合わせて情報をその場で検索したり、過去の問い合わせ内容を参照するなど様々な活用方法が考えられます。

事例紹介(業務効率化):株式会社再春館製薬所様
〜コールセンターにおけるナレッジマネジメントの活用にNeuron ESを導入〜

ファイルサーバの整理

従来から多くの企業で利用されてきたファイルサーバは、日々増え続けるデータ量に対する容量が逼迫し、サーバ内の整理を必要としていたりり、サーバの移行(リプレイス)向けて、不必要なデータをある程度事前に取り除いておきたいとなどの要望も少なくありません。

エンタープライズサーチ「Neuron ES」は、管理者向けのレポートとして、従業員の検索需要やよく検索されるファイルなどを可視化することが可能です。

こうした利用者のレポートを活用することで、ファイルサーバ内の不要なファイルを整理するためのヒントとしてご活用いただいているケースもございます。

従業員の課題把握

エンタープライズサーチ「Neuron ES」は、管理者レポートとして、「よく検索されるキーワード」「よく活用されるファイル」「よく検索を利用する部署・拠点」など、従業員の検索需要を可視化することができます。

こうしたレポートを活用することで、従業員が今どのようなテーマに関心を持っているかが把握できたり、拠点や部署ごとの比較を探るなどで、従業員や部署・拠点における課題を把握に繋げられる可能性を秘めています。

また従業員からよく検索はされているが、社内にデータが存在しない「0件ヒット」という機能により、早急に用意が必要な資料が何か把握することも可能です。

ここでご紹介するエンタープライズサーチの活用方法は、あくまで代表的なものでございます。今後の機能アップデートや改修によって、さらにその活用方法は広がっていくでしょう。

エンタープライズサーチ(企業内検索システム)の仕組み

エンタープライズサーチの仕組みは、至ってシンプルです(下記システム構成図参照)。

専用のサーバーをご用意頂き、当該のシステムをインストール。検索対象となるストレージへの認証設定を行います。システム起動後、クローラーと呼ばれる巡回機能が自動で動作を開始し(クローリング処理)、各ストレージ内にあるファイルのプロパティ情報・テキスト情報を専用サーバーに蓄積(インデックス生成)していきます。

Neuron ES システム構成図

クローリング処理にかかる時間は企業内にあるデータ量によっても差はありますが、概ね1〜2週間程度で完了します。一度全体をクローリングすれば、その後は日毎に差分データのみが処理されるため、差分データの収集にかかる時間は数時間程度に収まるようになるでしょう。(基本翌日には検索対象として表示されるようになる)

このようにクローリング処理を行い事前に、専用サーバにインデックスを生成・蓄積することで、検索のリクエストを送る度に各ストレージの全データを参照しにいく必要がなくなり、高速に検索結果を返すことができるのです。

業務効率化に対する導入効果の算出方法

エンタープライズサーチの導入を検討するにあたって、その導入効果や検証方法を知っておきたいという方もいると思います。企業によっては社内決裁のために、これらの説明材料は必須で求められるかもしれません。

実際これらを厳密に算出するのは難しいのですが、概算であれば算出することは可能です。

弊社がエンタープライズサーチの導入効果を算出する方法の一つとして参考としているのが、下記計算式です。

①検索1回あたりの平均短縮時間(分)× ②一人1日あたりの平均検索回数 × ③従業員数 × ④社内での利用率 × ⑤営業日数 × ⑥1時間あたりの労働単価 = 月間の検索時間圧縮コスト

※今回紹介する計算式や圧縮時間は、利用者のITリテラシーや利用状況、探したい情報によってもかなり差が出るため、あくまでも概算だとご認識頂ければと思います。しかし実際に弊社のお客様でもこうした概算を基に、社内説得時の説明材料として利用して頂いているケースもございます。

各項目にの詳細や、実際の検証方法については別記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひこちらもご参照ください。

エンタープライズサーチの導入効果

また、エンタープライズサーチの導入効果を概算で測るツールとして「コスト削減シミュレータ」もご用意しておりますので、ぜひお気軽にご利用頂ければ幸いです。

「Neuron ES」コスト削減シミュレータ

エンタープライズサーチ「Neuron ES」

弊社ブレインズテクノロジーが提供する「Neuron ES」は、累計300ライセンス以上もの豊富な導入実績を誇るエンタープライズサーチ(企業内検索システム)です。

ファイルサーバ・社内ポータル・社内DBなどオンプレミス環境の各種ストレージをはじめ、BoxやSharePoint Online、Dropboxといったクラウドストレージなどを横断的に検索できるほか、大規模・大容量でも高速なレスポンス、誰でも直観的に利用できるインターフェイスに、探したい資料が一目で分かるサムネイル・プレビュー機能など、必要な機能がしっかりと備わった検索システムです。

また既存のファイルサーバやクラウドストレージなどに設定されているファイルへのアクセス権限もしっかりと引き継ぐため、セキュリティ面も担保されています。

下記に具体的な導入事例を公開しておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。

Neuron ES 導入事例

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