DifyのエージェントモードでNeuron ESの検索APIを使ってみた:社内検索と生成AI活用の可能性
カテゴリ:AI技術
更新日:2026年8月16日
はじめに
生成AIの業務活用が進むなかで、「社内にある文書やナレッジを、AIエージェントから安全に活用したい」というニーズが高まっています。
一方で、企業の情報活用では、単にAIが回答を生成できるだけでは十分ではありません。回答の根拠となる文書にたどり着けること、検索対象や権限を適切に管理できること、そして現場の利用シーンに合った使い方ができることが重要です。
今回は、Difyのエージェントモードから、Neuron ESの検索APIをツールとして利用する構成を試してみました。
以前のコラム(関連リンク[1]:Neuron ES 検索API + DifyでRAGを構成してみた!大規模・高セキュリティな社内AIの実現)では、Neuron ESの検索APIとDifyを組み合わせてRAGを構成できることを確認しました。今回はその一歩先として、DifyのAIエージェントがNeuron ESの検索APIを呼び出し、社内情報の検索を支援する形を検証しています。
目次
DifyのエージェントモードでNeuron ESを使う狙い
Difyのエージェントモードでは、ユーザーからの自然文の質問に対して、AIエージェントが必要な処理を判断し、外部ツールを呼び出しながら回答を生成できます。
今回の構成では、その外部ツールとしてNeuron ESの検索APIを利用しました。
これにより、Dify上のチャット画面から社内文書を検索し、検索結果をもとに回答を生成する流れを作ることができます。


企業のIT部門にとっては、次のような観点で検討しやすい構成です。
- 既存の社内検索基盤を生成AI活用に接続できる
- AIエージェントが検索条件の調整を支援できる
- 回答生成だけでなく、根拠文書への到達を重視できる
- Difyなどの生成AIツールと、社内情報基盤を組み合わせやすくなる
生成AIを新しく導入するだけでなく、すでに社内に蓄積されている情報資産をどう活かすかという視点で、有効なアプローチだと考えています。
今回試した処理の流れ
今回作成したDifyアプリでは、Neuron ESの検索APIをツールとして登録し、AIエージェントが必要に応じて検索を実行するようにしました。
処理の流れは、以下のようになります。
- ユーザーがDifyのチャット画面で質問する
- Difyのエージェントが検索に必要なキーワードを判断する
- Neuron ESの検索APIを呼び出す
- 検索結果とヒット件数を取得する
- ヒット件数に応じて、次の検索条件を提案する
- LLMが検索結果をもとに回答を生成する
たとえば、最初の検索でヒット件数が多すぎる場合は、文書種別、更新日、格納場所、キーワードなどの条件で絞り込むことができます。



反対に、検索にヒットしない場合は、別の検索キーワードを提案したり、類義語を使って再検索したりすることで、目的の情報に近づける可能性があります。


検索キーワードがはっきりしていない場合でも、AIエージェントが検索の進め方を支援してくれるため、ユーザーは自然文で相談しながら情報を探しやすくなります。
実際に使って分かったこと
実際に試してみると、DifyのエージェントモードとNeuron ESの検索APIを組み合わせることで、社内検索をより対話的に行える可能性があると感じました。
特に、次のような利用シーンでは効果が期待できます。
- どのキーワードで探せばよいか分からない情報を探したい
- 検索結果の内容を要約して確認したい
- 生成AIツールから社内ナレッジを活用したい
一方で、すべての社内検索をAIエージェント経由にすればよい、というわけではありません。
社内文書を正確に探し、検索結果を一覧で比較しながら必要な文書を確認したい場合は、Neuron ESのUI画面を直接使うほうが適している場面もあります。
その理由は、次のとおりです。
- 検索結果を一覧で比較しやすい
- 条件の絞り込みや再検索を行いやすい
- 検索結果の文書をユーザー自身で確認しやすい
- 根拠となる文書に正確にたどり着きやすい

この点は、AIエージェントの弱みというよりも、用途の違いとして捉えるのがよいと考えています。
自然文で質問し、概要を把握したい場合はDifyのエージェントモードが向いています。一方で、文書を正確に探し、検索結果を比較しながら確認したい場合は、検索専用に設計されたNeuron ESのUIが力を発揮します。
AIエージェント活用では「回答」と「根拠」の両方が重要
企業で生成AIを活用する場合、AIがそれらしい回答を返すだけでは不十分です。
特に社内文書を扱う場合は、回答の根拠となる文書を確認できることが重要です。なぜなら、業務判断や社内説明に使う情報では、「どの文書に基づく回答なのか」が信頼性に直結するためです。
その点で、Neuron ESのような社内検索基盤とDifyのような生成AIツールを組み合わせることには、大きな意味があります。
AIエージェントが自然文での相談窓口となり、Neuron ESが社内情報への確かな入口となる。こうした役割分担を設計することで、生成AIの使いやすさと企業利用に必要な信頼性を両立しやすくなります。
Neuron ESはAI活用の情報基盤へ
Neuron ESでは、MCPサーバーへの対応も進められています。
今後はDifyに限らず、さまざまなAIエージェントや生成AIツールから、Neuron ESを通じて社内情報を活用できる可能性があります。
これは、Neuron ESが単なる検索ツールにとどまらず、企業のAI活用を支える情報基盤として役割を広げていくことを意味します。
生成AIを業務に取り入れる際には、どのAIツールを使うかだけでなく、社内情報にどのように接続し、どのように根拠を確認できるようにするかが重要になります。
Neuron ESは、そのための基盤として、社内検索と生成AI活用をつなぐ役割を担えると考えています。
まとめ
今回は、DifyのエージェントモードからNeuron ESの検索APIをツールとして利用し、社内検索をAIエージェントから活用する構成を試しました。
検証を通じて、AIエージェントによる自然文での問い合わせや検索結果の要約には大きな可能性がある一方で、正確な文書検索や根拠確認にはNeuron ESのUIも引き続き重要であることが分かりました。
大切なのは、AIエージェントと社内検索基盤をどちらか一方に寄せるのではなく、それぞれの強みを活かして組み合わせることです。
生成AIを社内情報活用に取り入れたい、AIエージェントと既存の検索基盤を連携したい、といった課題がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
貴社の情報環境や利用シーンに合わせて、生成AI活用と社内検索基盤の設計をご支援します。
関連リンク
[1] Neuron ES 検索API + DifyでRAGを構成してみた!大規模・高セキュリティな社内AIの実現
著者
刑部 薫子(Neuron ES プロフェッショナルサービス)
Neuron ES の導入作業を担当しております。お客様が安心してシステムをご利用いただけるよう、お客様に寄り添ったサポートを心がけています。
