お客様名 | ナブテスコ株式会社 |
ご担当部署 |
技術本部 ナブテスコR&Dセンター システム開発部長 野原 修様 |
導入製品 | Impulse |
導入時期 | 2021年10月 |
風力発電機を構成する部品は非常に多く、設置される場所も居住地域から離れた特殊な環境下であることも珍しくありません。ナブテスコでは20年近く長きに渡って風力発電駆動装置を生産してきましたが、こうした特殊な製品・環境下における保守の難しさを現場で目の当たりにしてきました。
特に風力発電機の中でも、旋回部分にかかる負荷は大きく、乱流・吹上風によってタワーの振動を誘発したり、構造連結部への過大荷重が発生したりします。特に旋回ギアに破損が生じた場合には、発電停止やノセル交換作業など多大な損失が発生します。こうした故障を事前に回避することで機械の停止を防いだり、長寿命化に繋げられないかと考えていました。
風力発電機ヨー旋回部のイメージ(提供:ナブテスコ株式会社)
以前よりセンサー等からのデータ取得・蓄積は行っていました。しかし、AI・IoTの分野へ活用するところまではできていませんでした。近年のAI・IoT技術の発展はもちろん、製品化のアイデアや会社の後押しなどもあり、これらデータの積極的な活用に取り組み始めました。
故障予兆などのAIを活用した異常検知の分野で多くの実績を挙げられていることもあり、Impulseを検討しました。ブレインズテクノロジーとは、社内の情報システム部門にて既に取引があり(企業内検索システム Neuron ES)、評判も良かったので相談に至りました。
社内でも挑戦的かつ重要な取り組みでしたので、慎重に製品・ソリューションの検討をし、Impulse含め数社の製品を比較・検討しました。中でも、ブレインズテクノロジーの開発スピードや私たちの挑戦に対する理解や取り組みに対する前向きな姿勢などは素晴らしく、様々な面において良い印象を受けました。先ほど紹介した別部署とのやり取りも既にあったのも好材料でした。
既に自社でデータの取得・蓄積を行っていたため、実際のデータをお渡しして故障に繋がる要因がImpulseを使って検知できるか試してみました。そこで良好な結果が得られただけでなく、自社での考察や分析にも近い結果だったため、具体的な製品・サービス化に繋げることができました。
風力発電機ヨー旋回部 故障回避機能付き状態監視機器「CMFS」イメージ(提供:ナブテスコ株式会社)
現在、風力発電機の故障回避・状態監視機器「CMFS」の製品・サービス化がようやく形となってきたところです。Impulseの導入によって、着想から短い期間で製品化ができ、新規事業を立ち上げることができました。さらにImpulseをカスタマイズすることで、下記のような機能の拡充も実現できています。
現在国内には2,500機*程度の風力発電機が存在しますが、海外に視野を広げるとその規模は大きく異なります。今後より使い勝手や機能を充実させた上で、将来的には海外展開も目指していきたいと考えています。(*日本風力発電協会(JWPA)調査より)
また現状では、ヨー旋回部の故障回避・状態監視とまだまだ範囲は限定的ですが、ゆくゆくは風力発電機に取り付けられた様々なセンサーデータを集約して総合的な診断を可能とする製品やサービスにまで拡張していければと考えています。
私たちのような顧客の新しいチャレンジに対する理解に加え、前向きかつ柔軟な対応に感謝しています。今後も新たな機能開発・操作性のさらなる向上など、引き続きご協力よろしくお願いします。
※本文記載の会社名及び製品名、サービス名などは、それぞれ各社の登録商標または商標です。